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音が聞こえる。
誰かの声。
…鼻歌?
薄く目を開いて、眼球だけを動かして辺りを見渡す。
けれど見えるのはもちろんのことながら、カーテンと壁と窓だけ。
一息吐き出して寝たまま腕を伸ばして伸びをする。
「~~~♪」
鼻歌が聞こえる。
起きるのが少し億劫だけれど、気合で上半身を起こしてはその声の主に言葉をかけた。
「美沙?」
彼女の名前をそう呼べば、すごい勢いでカーテンが開いた。
すぐ傍に待機していたんじゃないかと疑ってしまうほどの速さだったものだから、あたしは少し驚いてしまった。