憤慨したあたしは薄い毛布を投げ捨て、ベットの上をドタドタ歩いては深谷に詰め寄った。
「ビックリすんじゃないのよっ!!」
叫んでしまった。
思いっきり叫んだ。
犯人が深谷と分かってしまった瞬間、大声で叫んだ自分が物凄く恥ずかしくてしょうがない。
真っ赤になっているだろう顔に気にすることなく、八つ当たりに似た感情で怒鳴る。
「本当最低! 最悪!」
言い終わって息を吸おうとしたとき。
「―――あ、」
一瞬の出来事だった。
ふらっと足元が浮く感覚。
やばい。
急に力が抜けた感覚。
真っ逆さまに落ちる感覚。
あ。