どの学年も校庭で体育はしていないらしく、声が聞こえてこない。
どこからも音が聞こえてこない。
静かな保健室。
無音の空間に、1人あたし。
何だか急に恐ろしくなってきた。
情けないことに、非現実的なことを想像してしまうあたしは臆病者なのかもしれない。
ブルリと身震いし、早く寝てしまおうと強く目を瞑る。
「………っ」
想像してしまう悪いこと。
目を開いた途端に見えてはいけないものが見えてしまったらどうしよう。
そんなことを考えてはいけないと思えば思うほど、そっちの想像が脳内を駆け巡る。
ない。
絶対ない。
そもそもあたしは見える体質じゃないし。
そう何度も自分に言い聞かせては、悪い想像を消していく。
そんなときだった。