保健室のベットですることもない。


布団を鼻下辺りまで持ち上げ、天井をじっと見つめる。



だんだんと重くなってくる瞼を感じていると、ふいに保健室内が騒がしくなった気がした。



「?」



先生の声が少し慌てている。


なんだろう? と不思議に思っていると、先生がカーテンの隙間からひょっこり顔を出して、



「ちょっと今から病院行ってくるから大丈夫になったら戻ってね」



早口にそう言うと、急いで保健室を出て行ってしまった。



あの様子だと、誰かが大怪我でもしたのかも知れない。


あの慌てっぷりから予想できるのはそんな感じだろう。



もともとから静かだった保健室だけれど、先生がいなくなるともっと静まり返った感じがする。


なんだか妙で、ワザと咳をしてみたら予想以上に響いたもんだから黙ることにした。