優燈くんはまた、
やれやれとでも言いたそうな顔で私を見る。

見られて大炎上する私の顔。
近くの鏡からも見えた私の顔は
そりゃあ、まあ真っ赤で。

あー恥ずかしい・・・泣。

「楓??」

いつもの調子で
“ん??”と顔をあげると優燈くんの整った顔が覗く。

「わっ・・・・・・///」

あまりの近さに驚きを隠せない私。
ついつい顔を下に向ける。

「お前さあ・・・」

そう言いかけて優燈くんは私の顔を片手でグイッと持ち上げる。
そして私の顔を指した。

え・・・何??
ご飯粒でもついてるの??
私は混乱して眉毛をハの字にする。

「その顔、誘ってんの??」

「え??」

何言ってんの、と言い返そうとしたけれど
私の口は言葉を発せれなかった。
なんせ今、私の唇には優燈くんの唇が覆いかぶさっているから。

――――――チュッ

それだけの短い音を立てて
優燈くんは顔をあげる。

「その顔は反則だわ・・・。」

そう言うと優燈くんは2階へ上がって行った。

反則?!何が?!
意味分かんない、

私の思考回路は悲鳴をあげていた。