その王子はウチの手の甲にキスを落とすと笑顔を崩さないまま――――・・

「お待たせしました。僕のいいなずけ、まりやさん」

・・・・・・

ええええええええええええ!?!?!?!?!?

い、いま、この人ウチのこと

”いいなずけ”とか呼んだ!?

ってことはこの王子が

例の”いいなずけ”なワケッ!?!?!?!?!?

パクパクと金魚のように口を動かすウチをみて

フッと笑う王子

「どうかされましたか?かわいいお顔がもったいないですよ?」

「ちょ・・まったまった!ウチ別にアナタと結婚するなんて言って・・」

「あっら~!イケメンwwんもぉ!まりやったら照れちゃって・・うふっ」

お母さんがウチのコトバをさえぎった

いやいやいやいや。

照れてなんかないし!

ぎゃ・・逆に驚いてるし!

「えっと・・・いろいろ会話がしたいので、個室に移動しても・・?」

王子がスマイルでお母さんにそういうと

「あっら~ww案外積極的なのかしら!?!?どーぞ、どーぞ」

ちょっ・・・個室ぅ!?

個室=二人きり

二人きり=危ない行為

危ない行為=恋人(じゃないけど)たちの営みぃぃ!?!?!?!?

とか勝手な妄想をひろげながら

王子に言われるがままに個室へ移動した。






淡々と廊下をあるいて、個室にたどりついた王子とウチ。

さきから一言も発していない王子。

でも笑顔は崩していない

・・・・何この人。

てかともかく!

「・・・・あの!ほんとにウチ、アナタとなんか結婚しな・・」

バタン・・

個室のドアが閉まる。

・・カチャ

王子が鍵をしめた

しゅるしゅるとネクタイをはずして、当初のイメージをぶちこわすようなコトバを王子は言い放った。

「・・・はぁ。あのさ、ハッキリ言って俺だってテメェみたいな女と結婚なんかしたくねぇし。」

え!?

はぁぁぁぁ~~~~~~~~!?