「あ~っ☆かァわいいィ!よくお似合いですよォ!まりやお嬢様!」

甘ったるく、かん高い声を出す若い店員さん。

パーティーとかじゃないかぎり、着ないような服。

ウチ、今日パーティーなんかあったっけ!?

しかも、いま6時だしッ・・

パーティーが始まるならちょうどいい時間だけど

そんな予定、聞かされてないし

「ちょっと・・(怒)い~加減ッ!どこにいくのかお教えなさいよッ!」

ボディーガードの人たちはサングラス越しに困ったような表情をみせて、

すこし相談しはじめた。

・・・・(怒)

ったく・・・

早く言いなさいよ!!

本当になんなの!?このひとたちはッ!

いきなりこんなトコつれてきて・・・

ハイヒールをカツカツならしながら

あきらかイラついている表情のウチを見て、やっと口をひらいた。

「・・・いいなずけの方との、ご対面です」

・・・

理解不能。

思考回路停止。

っ今・・・・

なんていったぁぁぁぁ!?

”いいなずけとの対面”!?

「ふっ・・・」

「ふ?」

ボディーガードの人たちは気の抜けた声でリピートする。

プッチーン・・・

「ふ・・ふざけんな~~~~~~~~~~!!!!!!!!!」

店内にウチの悲鳴にも近い叫び声が響きわたった