「チーン」

エレベーターが最上階でとまった

ここは30階。

長い廊下をとおりぬけた先に、ウチの部屋がある

ぽふぽふ・・

ハイヒールでレッドカーペットの上をあるくため、

微妙な音までも

やっぱり大理石の壁に反響する

自分の部屋の前の扉にたどりついた

「ピピッ」

カードキーで部屋のドアをあける

「んもぉ!お母さんってば・・・(怒)」

むかむかが抑えられないまま、部屋のなかに一歩ふみだした

――――はずだった

だけど体が動かない

動けない―――

そういったほうが正しいのかもしれない。

「ちょっ・・・何!?離しなさいよ!!」

ウチの腕はがっちりボディーガードのいかつい男の人につかまれている

「まりやお嬢様、強引な手段をお許しください」

ボディーガードってウチを守るためにいるんじゃないの~~~~~!?

「いっ・・・いやぁぁぁぁぁぁ~~~~~~~~!!!!」

ウチの悲鳴が大理石の壁に反響した




ずるずると引きずられ、つれてこられたのはビル内のファッションブティック。

「ちょっと!いいかげん説明しなさっ・・・きゃぁ!?」

最後まで言わせる余地もなく

むりやり更衣室になげこまれた

「は~い、まりやお嬢様、ちょぉっとじっとしててくださいね?」

バリバリギャルっぽい店員さんが甘ったるい声で次々とウチの服を変え、メイクしていく

・・・なんて早ワザ・・・って!

関心してるばぁいか!

ウチのバカ!

ほんっとう、馬鹿!!

「ちょっ・・・いいかげん何してるか教えなさ・・・え!?」

いきなり全身鏡の前に立たされた

真っ白なミニ丈のパーティードレスを着て、髪の毛をゆるりとまとめて

おまけにメイクなんかしちゃってる・・・


「・・・コレ、ウチ!?」