「先生はさ~・・・」
『ん?』
「うちの学校の桜の木のジンクスジンクス知ってる?」
『桜の木のジンクス!?』
明らかに先生の様子が変だった。
「何か知ってるの?」
『いいや。知らないっ!』
「なら良いけどぉ~・・・」
私は年間行事予定表を見た。
「先生、今年の文化祭は来る?」
『悪い、今年は重なってるだよ!こっちは準備だからよ・・・』
「え~!?」
『でも、後夜祭には顔出せる・・・カモ?』
「”かも”って・・・。まぁ、来れないって思ってるよ」
『ごめんな・・・。東雲』
付き合ってるのに・・・名字で呼ぶって・・・どうよ。
まぁ、私も”先生”って言ってるし・・・。
『どうした?』
「ううん。何でも無い!」
『なら良いんだけど・・・』
その時だった。
「仁菜!いる?」
ドアの向こうから有子の声がした。
「せんせ、ごめん。またかけ直すね」
『・・・ああ。お休み、仁菜』
「うん」
私は終話ボタンを押した。
「・・・って、先生!?」