「・・・っ・・・」
宿泊してるホテルから約1mの所にある海辺で、私は泣いていた。
「・・・東雲」
大野先生の声に私は反応した。
「・・・来ないで下さいっ!!」
「・・・東雲・・・」
「・・・お願いですから・・・」
すると、大野先生は私の隣に座った。
「・・・泣いても良いぞ」
「え?」
「・・・思いっきり泣けばスッキリする」
「・・・でも・・・」
大野先生は私の頭をポンポンと叩いた。
「・・・せんせ・・・」

「すみません・・・。付き合わせちゃって・・・」
「東雲が気にする事じゃないって・・・」
「・・・でも・・・」
「・・・ほら、早く寝ろよ。明日も早いんだから」
「・・・はい」

「・・・」
自分の部屋に戻り、靴を脱いだ。
「・・・仁菜」
「あ、有子・・・。先に入ってたの?」
「・・・明日、大野先生の誕生日じゃんか。で、明日の練習後に先生の誕生日パーティーしようって思うんだけど・・・」
「大野先生って、明日なの?」
「うん。明日♪」
そう・・・。
有子が大野先生の誕生日パーティーをすると言った時点で・・・変だと思えばよかった。