「入っていいよ。」

そういいながら先に家の中へ入れてくれる。


「京ちゃんの部屋はいってていい?」

「おぅ。オレンジでいいか?」

「うん。」



京ちゃんの部屋に着くと、テキトーに座り漫画を手に取った。


「あ、それは…」

「京ちゃんって…こんなの読むんだ?」

「それは、輝が…」

「言い訳無用!!!!」

「ハイ。」


京ちゃんも健全な男子高校生だな。

「ねぇ、京ちゃん…明日ね、武が帰ってくるの。」


武とは、私の本当の弟だ。
今は、お母さんが引き取ってたまにしか会えないけど。

私の、過去は、汚い。



怖かった。


お母さんは、私が嫌い…。

私は、お母さんが好き…。



でも、お母さんは、武だけで良かったんだ。



「ソカ。1人で大丈夫?」

「ウン…。何かあったら電話するし。」

「了解。もぅ、帰るか?」

「ウン…」



京ちゃんも、お父さんがいないから分かってくれる。

だから、助けられる。


「んじゃ、バイバイッ」

そういいながら京ちゃんの部屋のドアのドアノブに手をかけた。

ブーブーブーブー

携帯のバイヴがなる…


from:梨佳

_本文_


彼氏できたぁ♥

写メ送りますっ

幸太だぉ♪

_END_



「へぇー。良かったジャン。」

「あぁっ!!京ちゃんっ!人の携帯勝手に見ないでよぉ」

「何で?」

「…。ぇっとそれは…」

「あのさ、俺は…お前の事なんでも信頼してるよ?」

「うん。あたしもだよ?」

「隠してる。」

ぇ?

「お前、色んな事隠しただろ?今。」

「ぁ。」

「俺、ずっとお前の事好きだった…」




ぇ?