「ほっといてよ」



「あ、つかお前の名前は?」



「誰があんたなんかに教える――――――


「優那ぁぁあ」



……。


遠くから葵の
私の名前をでっかく叫ぶ声が聞こえた。



毎日のことだけど、振り返ると葵が超笑顔で手を大きく振りながら私の方に走って来ている。



「へー、優那、ね」



「……」



「俺、名前教えてくれた優那の友達に感謝しなくちゃ」






めちゃくちゃ悔しい。
あっさり名前がバレてしまった。