勇希は友達作り上手いし…
何より、何かあったら必ず助けてくれるから…。

「桃花、行こ。」
勇希の温かい手が私の手に触れる。
冷えていた手が勇希のおかげで温かくなっていく。
私は柔く微笑みながら、勇希と共に1-Bの教室へ向かった。

　　　＊　　＊　　＊

―――ガラッ
教室のドアを開けると、知らない顔がズラリ。
そしてクラスみんなの視線が私…じゃなくて勇希に移る。

…そりゃそうだよ。
だって、勇希カッコいいしね。
「お前、窓側の後ろから2番目。俺は廊下側の前から3番目。…めちゃ遠いけど、何かあったら呼べよ？」
…当の本人、全く自覚なし。
「うん。」