勇希は幼なじみで、幼稚園の頃からの仲。
勉強が全く出来ない私と勇希は、この辺で一番レベルの低い“桜宮高校”を受験した。
「勇希、私のクラス…何組か見てくれない?
私背低くて見えないんだぁ…。」
トホホ…と言いながら勇希の顔をチラッと見ると、フンッと鼻で笑われた。
悔しいけど、すごく背が高い勇希に何か言ってもただの負け惜しみにしか聞こえないだろうから、大人な私はあえて何も言わなかった。
「ちょっ…!クラス見てくれないの!?」
掲示板と逆方向に歩きだした勇希を追いかけてそう問いかけると、勇希は口を開いた。

「お前のクラスは1-B。ちなみに俺と一緒!ほら、行くぞ」

1-B。この学校は、3年間クラス変えないらしいから…いっぱい友達作らなきゃ!
「てか勇希と一緒?良かったー超安心!」
私、意外と人見知りだから正直不安だった。
けど…勇希が一緒なら、一人の心配はない。