春といってもまだ少し肌寒い季節。
新しい学校まではけっこー遠い。
どんな学校だろ?
友達できるかな?
ちゃんとなじめるかな?

「あおいっ!!」

駅では親友の琴音がいた。

「もお~!!
入学初日に遅刻するつもりなの!?
早くいくよっ!!電車いっちゃう!」

この子は加藤 琴音。
優しくて、かわいくて、頭よくて…
なんでも話せる大親友。

電車はやっぱり混んでいて
立ってるのも大変だ―…。

ガタン

「きゃぁ!!」
倒れそうになった私を
助けてくれたのは――――――。

「大丈夫?」
「あっ。はい!ありがとうございます。」
「そっかよかった。」
そう言って彼は笑った。
「その制服…星南高校だよね?」
「はいっ!!」
「同じだね。」
そしてちょうど止まった
電車から降りて消えていった…。