もしかして……


モシカシテ……



今日は、初めからこれが目的だったんじゃない?


サヨさんには、してやられたって感じだ。



ジワッと手のひらに滲み出た汗をチュニックの裾で拭いていた。



ブッブー!



いいのか悪いのか分からないタイミングで車のクラクションが鳴る。


すぐ近くで「あっ」と声がした。



なぜ……


2人がハモる?


もしかして……


もしかしなくても……


なんとなく、先の展開が読めた気がする。



「え?」

「あっ?」



ハモった2人は顔を見合わせていて。


同時に4つの目がこっちへと向けられる。



いやっ。


説明を求めないでいただけますか?