「アイツは俺の今までの事、全部見てきてるから『アンタ何様?』って片眉上げて、すげーおっかねーんだけど」


「ははっ、そんな人いるんだ」


「だけど、俺はアイツの横が一番落ち着くんだよね」



空を見上げてそんな風に目を細めて。


少しだけ頬が赤らんでいて。


ハァっと形のいい口元から空気が零れる。



その姿が。


全身が。



夏川さんの全てがその女性を好きだと言ってるように見える。



彼女がいないと言った。


だけど……


好きな人がいるんだと。



夏川さんは自分の本音をさらけ出してくれている。