CANDY POT~キャンディーポット~【完】

「向いてないから!!窓ばっかり見てんじゃん!!」

「み・・・・見てないよぉ」


嘘つくの下手だな~と自分に感心しますわ.....


何で朱雀はこんなに、間近で話せれるの?


こんなにカッコいい顔を見せられても目のやり場に困るから!!!



「・・・・なぁ、キスして?」



「・・・・・・・ええええエエえ!!???」



あっ・・・・・あなたは何を........



キスですかぁーーー????!!!!!


「あはっ・・・・顔真っ赤!!プチトマトみたい!!」



「プチ・・・トマト・・・・・」



わなわなわな・・・・・と体中が震える.....


「だめ?プチマ!」


りゃ・・・・略すなーーーーー!!
「・・・・何で?・・・・・・」


「何でか?・・・・・う~ん、謝られたから?お礼にね!」

謝った・・・・?


それだけで!?

ってか朱雀、キャラ変わり過ぎだから!!!



「で、私がするの?」

う~ん・・・・ヘンな質問すぎて怖いんだけど




「じゃあ、俺がしようか?プチマーーー!」



「だから、略さないでよお!!」



何で、朱雀はこんなに・・・はっ恥ずかしいことを平気で言えるんだろう


私には理解できないよぉ~


「ね?・・・・ダメ?」

「い・・・......」


だーかーらーこっちを見ないでください~~!!

涙腺がとても弱い私は、またしても瞳の周りに


じわぁ~っと涙が溜まってくるのが分かる。


こんな狭い部屋で・・・朱雀と....


「琴梨!?・・・もしかして泣いてる?」

「うっ・・うぅ・・・っ」


朱雀の言葉を聞いた瞬間


頬に温かいものが流れてきて






朱雀に抱きついていた―――――・・・・・・........


「・・・・――――り!琴梨!!!」


「・・・んっ・・うわぁっ!!」

目の前には明音が凄い形相で私の肩を掴んでいる光景が広がった。



へ?


ここどこ?


広すぎるベッドに広すぎる部屋、豪華な家具・・・・



明音の後ろ側にあるのは.....


ろっ・・露天風呂ーーー!!??



「ちょっと!琴梨っ聞いてんの?」


「あっ!?ごめんごめん」


何で明音・・・怒ってんの?


「琴梨・・・大丈夫?心配したよ~~朱雀クンなんか、大慌てで先生呼んで大変だったんだから!」



「船酔いの朱雀が・・・先生を呼んで、大慌て?」


全く意味が分かんないし、話についていけない・・・・
「ここは、どこ?」

「ここは、琴梨と朱雀クンの部屋だよ?」


「もっもう着いたの!?」

「あったりまえ~~!!」


当たり前の意味が分からないまま私はベッドを出てロビーに行こうとすると


「あははっハシャギすぎた~琴梨は、ここにいなきゃダメだよ?」


手を掴まれてベッドに連れ戻された。


「何で?さすがに先生とかに言っとかなきゃダメじゃないの?」


「それが~あたしね、朱雀クンに怒られちゃったんだ」

は!?・・・何で怒られたの?


「意味分かんないけど・・・明音、何かした?」

「なわけ!!そーじゃなくて、朱雀クンに琴梨のそばにいてあげてって怒られたの」



私の・・・・そばに?
「ビックリしたよ....その時の朱雀クンの顔が凄く真剣だったから。後ね、「俺じゃダメだから・・・」って言って悲しい顔もしてた。」


朱雀・・・






私が悪いよね.....





泣きすぎて・・・



驚きすぎて・・・




気づいたら、こうなってて



明音にも迷惑かけてる。





「琴梨?そんな悲しい顔してちゃダメだよ!朱雀クンが余計に心配しちゃうでしょ?」

「・・・うん。」


いつもいつも


迷惑かけて・・・自分は何もできないまま逃げてる......


いくら、大きくなっても



心は変わらない......



高校生って案外子供だね.....


それって



私だけだ.....


自分だけ、どこか取り残されてる・・・


あのことがあって、人とかかわるのを止めてる



それって、結局ね


自分が逃げてるだけ。


あの時と何も変わって無いし.....



あんなに、朱雀が私を気にかけてくれて



でも


私はそれを裏切るような行為をする.....




何が朱雀といると




楽になる・・・落ち着く・・・好きかも・・・・




こんなバカみたいな気持ち.....




朱雀に会って、浮かれてたんだ



朱雀と一緒だと、震えが来なくて



落ち着く.....
そんな風に勘違いしてたんだ.....



何が・・・何が・・・


好きかも? だ!


冷静になって考えてみなよ!!


バカバカしいじゃん!



それで、結局相手に迷惑をかける....


こんなのが恋愛なわけない.....



ろくな恋愛してない私でも分かるって



いくら好きでも・・・・迷惑かけちゃダメなんだよ。