――――「明音ーーーーーどこーーー!!!」
明音と逸れちゃった・・・・・うう~~明音ーーー!
でもっ、合格発表は見なきゃっ!
って見えナ――――――――――――――い!!
―――ドンッ
「痛ったぁ~・・・すいませ・・・キャア――――――!!!!???」
「うわっ!!うるさっ・・・・」
男―――――――っ!!
男―――――っ!!!
・・・・へ?
震えが・・・・来ない・・・・
あっ!もしかして・・・・この人
「あなた、本当は女・・ですか?」
私が顔を上げた途端・・・・
不思議な瞳・・・・をしてる・・・ってカッコいい.....
背高いし・・肌綺麗.....黒髪がサラサラ.....二重で・・・さわやかだ・・・
初めて・・・こんなにカッコいい男の子を見たの・・・・
「はあっ!?俺が・・・・女?お前、調子乗ってる?」
うわっ・・・・前言撤回・・・さわやかでは・・無いし
「・・・調子には乗って無いです......すいません」
ってなんで、私が謝ってんの!??
でも、女じゃ無かったら・・・この人は何なんだろう・・・
もっ・・・・もしかして
男拒否症克服っ!!??
ちょっと・・・マジ?
ヤッタあ―――――!!
試しに・・・
くるっと後ろを向いた瞬間・・・・
「ひっ!!」
ガクガクガクガク
「ちょっ・・・・お前、大丈夫か?」
「すい・・・・ま・・せェ・・・・・・ん」
やっぱり、ダメだ・・・
何か、ホントに調子にのっちゃった・・・・
震えが・・・・止まんない・・・
「おい!歩けるか?」
何なの・・・この男の人、夢森の受験生って事は分かるけど・・・・
喋れなかったので顔を横に振った。
その瞬間
――ぐいっ
「ちょっ!?」
「歩けれねェんだろ?さすがに俺もそこまで悪人じゃないから、可哀そうな子とか放っておけれないんだよ」
・・・・へ?
・・・・んでも.......
お姫様抱っこって、これいかに?
全世界の乙女の憧れが.....
「う・・すいません....」
「あはっ、素直になった」
そう言って男の子は太陽のような笑顔で笑った。
・・・・・これ、ホントに男の子なのかな?
こんな男の子・・・・見たこと無い......
「あっと・・・この辺でいいか?」
「・・・あっはい」
何でだろ・・・この男の子とだったら目と目を見てちゃんと話せる.....
不思議だなぁ~・・・・・
これって・・・運命かな?
・・・・な~んてね
今まで、ろくな恋をしてない私が言えることじゃないか......
でも、運命だったなら・・・・
嬉しいな....
「あっ!・・・・ところで名前は?」
たしかに・・・・私が急に震えだすもんだから、名前も何も言ってないし・・・あれ?合格発表も見てない.......
「え~っと、霧咲 琴梨です。さっきは本当にありがとうございました」
今は運んできてもらって、近くの公園にいる。
初めて来たかも・・・・・こんな場所、知らなかった。
木はさわさわと揺れてて・・・花は満開に咲いてる・・・・
さすが4月だね・・・景色がとっても綺麗。
「ことり・・・ね、おもしろっ」
あははははははっ......と大声を出して笑い始めた。
「・・・・そんなに、おかしかったですか?」
「いやっ・・・・そのまんまだなって」
「えっ!?」
「だ~か~ら~名前のまんま、琴梨って感じじゃん!お前」
「ふへっ!?」
やばっ・・・変な声出た。
恥ずかしい
「っそんなに笑わないでください!!!あなたの名前も教えて下さいよ!!」
反撃と言わんばかりに私は怒り気味で言った。
「ごめんごめん、そんな怒んなくても~俺はね・・・・・」
「・・・内緒っ」
「へ?・・・内緒って、ズルイですよ!!」
男の子は口の前で人差し指を立てニコッと笑った。
「あはははっ、琴梨って呼んでいいか?お前、面白い!」
「あなたの名前を教えてくれたら・・・・呼んでもいいですよ?って面白い!?」
何か私だけ、遊ばれているようだったのでちょっと意地悪をしてみた。
「うっわーー琴梨ちゃんのケチーー!!」
「ケ・・ケチじゃ無いですよ!!」
「あははっヤベぇ、見てて飽きないわ!俺は、琥城 朱雀【クジョウ スザク】夢森は受かってたから、高校1年だ」
「すざく・・・・?」
「琴梨と同じ鳥仲間だよ!でも、朱雀は中国の伝説上神獣で四神・五獣の一つで南方を守護している鳥なんだ。」
「へぇ~物知りなんだね・・・私、そんなこと知らなかった。」
「大したもんでもないけど・・・じゃあ、俺も自己紹介したことだし。琴梨も俺の事、朱雀って呼んで」
「うん!、今日はありがとう・・・良かったら、メアド聞いてもいい?」
「あっ、いいよ」
もしかしたら・・・・私の人生で初めての拒否症反応が出ない男の子かもしれないから・・・・あっ!お父さんは、拒否症で無いか
―――――
「それじゃあ、気をつけてな」
「うん!また会えるといいね」
「そーだな~」
・・・・・ん?
待てよ・・・・・
私って何しに行ったんだけ?
・・・・っ!!!!
合格発表見てないーー!!
朱雀と話してたら時間が過ぎちゃってた・・・・
♪~♪~♪~
電話?
パカッ
【明音】
うわっ!? 明音だ!
「もしも・・・・し」
何か微妙な威圧感を感じたので、恐る恐る出てみる。
『こーとーりーー!!今、何時?』
ひえっ!?