バンッ!!
「・・っ・・・・明音?」
強烈な平手打ちが私の顔にあたった。
「心配で・・心配で・・・・でも、あたしにはどうすることもできなくて・・・・・悔しくて・・・」
「・・・・・・ごめんなさい.......」
明音は我慢ならなかったのか、大粒の涙が流れていた。
「琴梨は・・・っひっく・・・あんまり話してくれないし・・・悲しかったけど」
明音はそう言って両手で涙をぬぐった。
「琴梨をビンタしたら・・・・スッキリした!!」
「はあっ!?」
・・・・いつもの明音に戻った瞬間だった。
「いっぱい・・・話聞かせてもらうからね!」
「・・・・・はい.......」
何か・・・・まとまった感じがするのは私だけ?
そうして何か嵐が過ぎ去ったように2人で学校に行き
明音に昨日の事を全部話した・・・
話し終えた時はさすがの明音も驚いた顔をしていて・・・・
しきりに
「ビンタしちゃってごめんなさい」と連発してたけど・・・・
「私が明音の言うことちゃんと聞いてなかったわけだから、自業自得」
今日は早く出たせいか、行きは誰にも会わず、学校に行けた。
―
――――この時は、全く分かんなかった。
自分の体が、変わっていくのを..........
それは・・・それは
本当に少しずつだったけど・・・変わっていった。
夢森学園 合格発表の日
「とうとう・・・・この日が・・・・」
あれから1ヶ月半
地獄の・・・受験勉強が始まった。
芽依さんは家に泊まり込み、睡眠時間は異例の2時間・・・・・
ハッキリ言って・・・・超辛かった。
でも、毎日が充実してて・・・芽依さんには本当に感謝してます。
毎日毎日・・・バカな私に付き合ってくれて・・・
「琴梨――――――っ!!遅れるぞ!!行くよっ」
それに、明音にも助けてもらった。
・・・・・精神的な面で
私の体の中の変化とは・・・・
あの事件以来
男の子を見ただけで体全身が震えあがる。
最初は自分でもどうする事も出来なくて・・・・・・・・・・
でも、この学校は比較的に女子の人数が多かったため薬で何とか乗り越えた。
卒業式の日は自分との戦いだった・・・・死ぬかと思ったけど明音がずっとそばで手を握っててくれて・・・・芽依さんにもお世話になった。
やっぱり、家族には言えなかったけど・・・・・
「琴梨・・・・せいの!で見よう!・・・って琴梨!!!??どこ???」
――――「明音ーーーーーどこーーー!!!」
明音と逸れちゃった・・・・・うう~~明音ーーー!
でもっ、合格発表は見なきゃっ!
って見えナ――――――――――――――い!!
―――ドンッ
「痛ったぁ~・・・すいませ・・・キャア――――――!!!!???」
「うわっ!!うるさっ・・・・」
男―――――――っ!!
男―――――っ!!!
・・・・へ?
震えが・・・・来ない・・・・
あっ!もしかして・・・・この人
「あなた、本当は女・・ですか?」
私が顔を上げた途端・・・・
不思議な瞳・・・・をしてる・・・ってカッコいい.....
背高いし・・肌綺麗.....黒髪がサラサラ.....二重で・・・さわやかだ・・・
初めて・・・こんなにカッコいい男の子を見たの・・・・
「はあっ!?俺が・・・・女?お前、調子乗ってる?」
うわっ・・・・前言撤回・・・さわやかでは・・無いし
「・・・調子には乗って無いです......すいません」
ってなんで、私が謝ってんの!??
でも、女じゃ無かったら・・・この人は何なんだろう・・・
もっ・・・・もしかして
男拒否症克服っ!!??
ちょっと・・・マジ?
ヤッタあ―――――!!
試しに・・・
くるっと後ろを向いた瞬間・・・・
「ひっ!!」
ガクガクガクガク
「ちょっ・・・・お前、大丈夫か?」
「すい・・・・ま・・せェ・・・・・・ん」
やっぱり、ダメだ・・・
何か、ホントに調子にのっちゃった・・・・
震えが・・・・止まんない・・・
「おい!歩けるか?」
何なの・・・この男の人、夢森の受験生って事は分かるけど・・・・
喋れなかったので顔を横に振った。
その瞬間
――ぐいっ
「ちょっ!?」
「歩けれねェんだろ?さすがに俺もそこまで悪人じゃないから、可哀そうな子とか放っておけれないんだよ」