CANDY POT~キャンディーポット~【完】

「送ってもらってしまって・・・・・すいません」

今は、私の家の前にいる。


あれからちょっとしたくらいで、家に着いた。

「んじゃあ、受験勉強頑張ろうね☆」


「あっ!はいっ!」


何で・・・ここまでしてくれるんだろう?


という疑問を抱えたままだが、これは芽依さんの優しさということにしておいた。


外は真っ暗.......早く入らなきゃ



「バイバ~~イ、明音ちゃんによろしくね~」


「さよなら」





・・・・・芽依さん、行っちゃった。



~次の日~


あの夜はお風呂に入ってすぐに寝た。

お母さんにもお父さんにも・・・・・何も話さず。


ってか2人とも、あんまり帰ってこないから......



「おはよう~・・・・っていないよね......」



そう、今日だって帰ってきてないんだ。



1人の朝食なんて当たり前



「おはよう」なんて言われたのも数えるほど・・・・





だって・・・迷惑かけれないし......


私は良い子でいなきゃいけないんだもん......


これは凄く小さい頃から思っていたこと。


「あっ!芽依さんから」


昨日、リビングの机に置きっぱなしにしてた携帯がたまたま目に入った。


――パカッ


【芽依さん】


おはよ~~ちゃんと寝れた?

あっ・・と

今日、空いてる? 勉強しよっ!




本気なんだ・・・受験勉強するの........



――返信


おはようございます(^v^)

一応、空いてます.....


ホントにいいんですか?



「送信~っと・・・」
そろそろ、学校に行こう・・・・



―――ピンポーン

?  誰だろう?


「今、出まーす」


ガチャッ


「おはよう、琴梨」


「あっ!明音!?」


そこには・・・・明音が立っていた。


いつもは私が迎えに行く方だったから、明音に来てもらうのは初めてかも.......


「琴梨・・・ちょっといい?」

「えっ!?いいけど・・・・」


何故か、明音の顔が今まで見たことのない・・・・・


真剣な顔をしていた。



分かんないけど・・・後ずさりしてしまって、足がすくんだ。



「琴梨・・・・・あたし、すっごい心配だったんだ......」


「・・・うん、ごめんなさい.....」


私がうつむきながら言うと・・・・






バンッ!!


「・・っ・・・・明音?」

強烈な平手打ちが私の顔にあたった。


「心配で・・心配で・・・・でも、あたしにはどうすることもできなくて・・・・・悔しくて・・・」


「・・・・・・ごめんなさい.......」


明音は我慢ならなかったのか、大粒の涙が流れていた。



「琴梨は・・・っひっく・・・あんまり話してくれないし・・・悲しかったけど」




明音はそう言って両手で涙をぬぐった。


「琴梨をビンタしたら・・・・スッキリした!!」


「はあっ!?」


・・・・いつもの明音に戻った瞬間だった。


「いっぱい・・・話聞かせてもらうからね!」


「・・・・・はい.......」


何か・・・・まとまった感じがするのは私だけ?





そうして何か嵐が過ぎ去ったように2人で学校に行き


明音に昨日の事を全部話した・・・




話し終えた時はさすがの明音も驚いた顔をしていて・・・・

しきりに

「ビンタしちゃってごめんなさい」と連発してたけど・・・・


「私が明音の言うことちゃんと聞いてなかったわけだから、自業自得」



今日は早く出たせいか、行きは誰にも会わず、学校に行けた。










――――この時は、全く分かんなかった。
自分の体が、変わっていくのを..........



それは・・・それは



本当に少しずつだったけど・・・変わっていった。






夢森学園 合格発表の日


「とうとう・・・・この日が・・・・」


あれから1ヶ月半


地獄の・・・受験勉強が始まった。


芽依さんは家に泊まり込み、睡眠時間は異例の2時間・・・・・


ハッキリ言って・・・・超辛かった。


でも、毎日が充実してて・・・芽依さんには本当に感謝してます。

毎日毎日・・・バカな私に付き合ってくれて・・・



「琴梨――――――っ!!遅れるぞ!!行くよっ」


それに、明音にも助けてもらった。




・・・・・精神的な面で
私の体の中の変化とは・・・・

あの事件以来


男の子を見ただけで体全身が震えあがる。

最初は自分でもどうする事も出来なくて・・・・・・・・・・


でも、この学校は比較的に女子の人数が多かったため薬で何とか乗り越えた。



卒業式の日は自分との戦いだった・・・・死ぬかと思ったけど明音がずっとそばで手を握っててくれて・・・・芽依さんにもお世話になった。

やっぱり、家族には言えなかったけど・・・・・





「琴梨・・・・せいの!で見よう!・・・って琴梨!!!??どこ???」