今日は、夢森学園の同窓会がある。
芽依さん主催で、盛大にやるらしい.....。
さすが芽依さん・・・恐るべき人だわ~
「ごめんごめん、お待たせ!」
「遅いって・・はぁ~じゃあ、行こ!!」
朱雀と同棲してみると、本当にいろいろな部分が見れた。
あれほど、完璧に見えた朱雀が
朝起きれなかったり。
私以上に料理が上手だったり・・・・。
一緒に暮らしてみて分かる事があるんだな~って再確認した。
えーっと何時からだっけ?
「朱雀ー何時からだっけ?」
「はぁー何で行く気満々のヤツが時間忘れるわけ??」
くっそー!!相変わらず・・・毒舌大魔王ですがね~
「いいじゃんいいじゃん!聞いてるんだから答えてよ!!」
それで、ムキになる私。
こんなんでいいのか~?
新婚生活大丈夫~~??
「同窓会は10時から、今は9時45分。だから、ヤバいと思うけどーこんなとこで、のろのろしてたらさ~」
朱雀はそう言って、私に向かってべろを出して憎たらしい顔を向けた。
こーいーつーー!!
「ほら、行くぞー遅刻女!」
「うわっ!?」
朱雀は思いっきり私の腕を掴んでアパートを出た。
もうちょっと、優しくしてくれてもいいじゃない!!
「先に車乗ってて」
「う・・うん」
鍵を渡されて車に乗る。
ただ、それだけの事だけど・・・今日は、とっても嬉しく思えた。
朱雀と一緒にいく同窓会
楽しみすぎて、昨日は全く寝れなかった。
明音や芽依さんと会えると思うと、胸がはずんでしまうんだ。
あと、3日すれば・・・朱雀とずーっと一緒にいられる。
こんなにも、心があったかくなるんだなぁ。
「琴梨、昨日寝てないだろ?」
運転席に座った朱雀が私の顔を見ていった。
「え?・・・そうだけど。クマとか出来てる?」
「クマは大丈夫だけど、顔が疲れてるっぽかったから」
そう言ってエンジンをかけ車を発進させた。
たまーに言う、朱雀の優しい言葉が私の胸をキュンとさせる。
だから、ずーっと一緒にいたい。って思うんだよ?
私が変わりだした、あの日から
もう、6年も経つ。
朱雀に会うまでは、一日一日がとっても長く感じて辛かった事、悲しかった事で埋め尽くされている日々だった。
朱雀に会ったことで劇的に私の日々が変わっていって、生きていて良かったって思う毎日になった。
失いかけてたもの
忘れかけていたもの
大切なことを全部教えてもらった。
心が洗われていくように、綺麗になっていって
みんなに、感謝した日だった。
あの日から・・・・
もう、6年かぁ~
「――――りっ!!琴梨!!着いたぞ?」
「早っ!」
「琴梨がぼーっとしてたからだろ」
「まぁ・・・そうだけど」
私達は車から降りて、同窓会会場の谷野系列のオシャレすぎるレストランへ入った。
「うわぁ~~~」
凄い・・・キラキラーー
高そなうシャンデリアや彫刻彫りの置物・・・・。
場違いな感じがするのは私だけ?
「ちょっと朱雀、ここ・・・大丈夫なの?」
心配になったので朱雀に聞いてみた。
「あぁ、谷野系列だったらこれくらい当然だからな~うちもこんなのばっかだぞ?」
うっ・・・・
そうだった
朱雀は御曹司だった......
こんなの当然・・・なの?
うちの親たちは海外関係の会社だから、こんなんじゃ全くないけど
世の中凄い.....
「琴梨ちゃーーーーーーーーーーーん!!!」
なっ・・・この声は!?
「芽依さっっ!!!って誰ですか??」
「ちょっと誰とは失礼ね!!芽依ですが?ん?」
怖い・・・
「芽依さんって、生徒会長だった?」
え!?
朱雀・・そーいうの言っちゃ、芽依さんが怒るって!!
「もうーー朱雀くんも!?そんなに、あたしのこと忘れちゃったの!?」
芽依さん・・・半泣き状態じゃん.....
それより・・・
「芽依さん、綺麗になった・・・誰か分かんないくらい変わった・・・・」
これが率直な感想。
あのころとは全くの別人みたい....
「あはははっ綺麗なのは、この服だって~」
笑いながら言うと、くるっとその場を回って見せた芽依さんの顔は
キラキラと輝いていて
何かが吹っ切れたような・・・そんな顔に見えた。
「生徒会長、それ・・・うちの服だ.....」
「えっ!?」
「あっ!そっか~朱雀くんのお母様は【sunshine】のオーナーだったね!お母様にお礼を言っといてもらえる?」
「・・・あっはい。」
朱雀・・・お母さんのこと、気にしてる・・・・よね?
とっても暗い顔だもん。
「芽依ーーー」
ん?
聞いた事のない声・・・それに呼び捨てだし.....
「あっ!尋~~!!」
ひろ??
って芽依さん、凄い笑顔・・・
この人誰??
「あっ・・・門永さん・・・門永 尋道【カドナガ ヒロミチ】さん、ですよね?」
「朱雀・・・知ってるの?」
「当たり前」
へぇ~有名な人なんだ.....
私・・・全く知らないや。
「琴梨ちゃん、紹介するわ!」
「はい」
そうして、走ってきた尋道さんは芽依さんの隣に立つ
「こんにちは・・・っと、琥城くんは初めてじゃないよね?」
「はい・・・」
優しい声だ、尋道さん
私たちは会場の中央に移動して尋道さんの紹介をしてもらう事にした。