琥城君だって、何も言わずに私の事・・・・
なんで?
同じチームだから?
「あははっそれは・・・あたしが琴梨のこと、話したから」
「話したって・・・拒否症の事?」
そう言うと明音は顔を縦に振った。
「2人共ね、凄く心配してて話すなら今かな~って、朱雀クンは2回目でしょ?」
「・・・・。」
話をフられた琥城君は、やっぱり口を閉ざしたまま
「ごめん・・・琴梨ちゃんのこと、傷つけたかも・・・ごめん。」
長谷川君・・・・
私がこんなんだから、周りを謝らせてばっかりだし
「それにね・・・この場所はあたし達が1番に着いたんだ~ここはね、言い伝えだと『迷える子羊ちゃん』達がこの場所に辿り着けるんだって」
ま・・・迷える子羊ちゃん??
子羊って誰よ!?
「明音・・・それ、うそでしょ?」
「あっバレたーーー??」
やっぱり、うそか.....
「琴梨ちゃん・・・俺、もう近付かないから琴梨ちゃんに」
「なんで?」
私が弱い子だから?
私が逃げてばかりだから?
「俺さ・・・琴梨ちゃんの周りにいると......朱雀だったら大丈夫なんでしょ?」
「なん・・・で・・・」
こうやって・・・私はみんなが離れていくのかな?
全部....全部.....
自分のせいで皆を失うの?
嫌だよ・・・そんなの・・・絶対に嫌だよぉ......
「明音ちゃん。先生に言って俺さ、別のチームに入れさせてもらうから」
「ちょ・・・長谷川君!」
「いやぁ~~俺も散々、人の事傷つけてきたから・・・潮時ってやつ?俺の噂、知ってる?」
長谷川君は木漏れ日の光に照らされてキラキラと輝いている。
「・・・・知らないって言ったら嘘になるけど....」
「でしょ?あんな男が、また女の子泣かせたーーとかなったら俺もヤバいわけよ」
なんで軽く言えるの?
嫌じゃないの?
「違う....違うよぉ....長谷川君は悪くない....噂を流してる人が悪い....」
一気に3人が私を見つめる。
木漏れ日が当たってキラキラとさわさわと揺れる森は私を照らす。
「皆・・・私から離れていく...「メンドクサイ」とか言ってね。私だって好きで拒否症してるわけじゃないし・・・誰か・・誰か代わってよ!って思ってるし。」
今までの私だったら人前で自分の気持ちなんか絶対に話せれないし....
でもね、今なら話せる気がするんだ。
この森が
私に力をくれているような....そんな感じ。
「変わりたいけど、変われない自分にいつも自己嫌悪・・・バカバカしいって感じ」
「琴梨....」
「そうだよ、明音だけが傍にいてくれて・・・明音がいないと私何もできないと思う」
これから
1人でやらなきゃいけないこと、頑張らないといけないときに
何もできないんだろうな.....
「こんな私だから、みんなみんな愛想尽かして離れていく....」
「なぁ!それって結局どうしたいわけ?俺らに助けてもらいたいわけ?」
今まで無いも話さなかった琥城君が急に口を開いた。
『俺らに・・・助けてもらいたいわけ?』
そうなの?
私は琥城君達に助けてもらいたいの?
「俺らにそんな話するって事は・・・何かしてもらいたくて言ってんだろ?悲劇のヒロインぶってんじゃねぇよ!!!」
「えっ!?・・・・」
「朱雀!!」
悲劇のヒロイン・・・かぁ
そうだよ・・・ね
「・・・ごめんなさい」
「琴梨!!謝らなくていいよ!!朱雀クン、ちょっと言いすぎ!!」
明音・・琥城君が悪いんじゃないんだよ
私が悪い....
なんで気付かなかったんだろう
琥城君の言うとおり・・・私が悲劇のヒロインぶってただけ
『男拒否症』っていうワードで
周りから避けてきただけ....
だから、みんな離れていくんだ....
「だって・・・聞いてりゃ、バカバカしくってさ」
「朱雀!!琴梨ちゃんは俺の事を思って言って・・「違うんだよ!!!!」」
こんなに感情を出す琥城君は初めてみた・・・
「何で・・・何で俺はこいつのこと・・・・」
「え?」
「っ!何でもねぇよ!!」
周りのみんなを嫌な思いにさせるのは、きっと私のせい。
じゃあ、もう....
どうすればいいの?
「ごめんなさい.....琥城君。もう、いやだよぉ...みんなが離れていくのを見るのは・・・ひっく...大事な大事な・・・クラスメイト・・だよ」
全部が全部、私のせいならば
私が謝れば済む話――――・・・じゃないの?
今まで通り、誰もが嫌な思いをせずに学校を楽しむ方法は・・・私が謝れば済む話?
――――・・・違うかも.....
それより、何で琥城君は怒ってるの?
やっぱり・・・わたしのせいなの?
「こっ琴梨ィ!!!」
ガクガクガクッ
「もう・・・大丈夫だから、ごめんね琴梨」
震えが・・・・止まんない
~♪~♪~♪
「明音ちゃん・・・携帯なってるよ?」
「へ?・・あっごめん長谷川君、出てくれる?」
明音は私を支えてくれてるから電話に出れない、代わりに出る長谷川君は緊張してて手に持っている携帯がおろおろと落ちそう。
「大丈夫・・・琴梨、大丈夫。あたしが、いるからね」
「・・・ごめん...なさい。ちゃんと歩いて帰ろう?」
「琴梨、歩けるの?」
「・・・うん、ちゃんと歩く。」
今の私じゃ、何にもできないけど
1人で出来る事をやっていかなくちゃ
出来るだけ・・・出来るだけ周りに頼らない方法で・・・・