「よろしくなーー琴梨ちゃん」
「・・・・はいっ。」
何で私はいつもこんなの何だろう....
明音みたいに可愛くもなく、逃げてばかりで何もできない。
さっきだって、困ってる私に明音が助けてくれたし。
この先・・・明音がいないと何もできなくなっちゃうのかな?
変わらない自分に何回自己嫌悪しただろう.....
変わりたい・・・
変えたい・・・・
変わらなきゃ
でも、変われないのは自分が一番よく知ってる事。
「琴梨~こいつは長谷川 亮輔【ハセガワ リョウスケ】」
「俺が自分で自己紹介したかったのに~~亮って呼んで!」
「・・・りょ・・・・う・・?」
「琴梨!!!!」
亮って・・・亮って・・・
急に視界が一転して、気が付くと――――?
「琴梨・・・・大丈夫か?」
「く・・・琥城くん?」
「琴梨~~~!!ずっと朱雀クンが抱えててくれてたんだよ?長谷川君じゃ任せれないと思って・・・・」
そういって明音は長谷川君をニヤつきながら見た。
「うっわ~ひでぇや!!俺だって姫抱っこしたかった!!!」
「ごめんね・・・琥城君、ありがとう。」
「・・・・・。」
私の頭の上にある琥城君の顔は、とても無愛想だった....
でも、ゆっくりと降ろしてくれて
「ここは?」
私の意識がある内の森林の景色とは一変していて
「えへへ~ここはゴール地点の精霊神の泉だよ、凄く綺麗だよね・・・」
「綺麗だけど・・・琥城君と長谷川君は私の事、変って思わないの?突然気失ったりして」
さっきから、私のこと・・・何も言わないんだ.....
琥城君だって、何も言わずに私の事・・・・
なんで?
同じチームだから?
「あははっそれは・・・あたしが琴梨のこと、話したから」
「話したって・・・拒否症の事?」
そう言うと明音は顔を縦に振った。
「2人共ね、凄く心配してて話すなら今かな~って、朱雀クンは2回目でしょ?」
「・・・・。」
話をフられた琥城君は、やっぱり口を閉ざしたまま
「ごめん・・・琴梨ちゃんのこと、傷つけたかも・・・ごめん。」
長谷川君・・・・
私がこんなんだから、周りを謝らせてばっかりだし
「それにね・・・この場所はあたし達が1番に着いたんだ~ここはね、言い伝えだと『迷える子羊ちゃん』達がこの場所に辿り着けるんだって」
ま・・・迷える子羊ちゃん??
子羊って誰よ!?
「明音・・・それ、うそでしょ?」
「あっバレたーーー??」
やっぱり、うそか.....
「琴梨ちゃん・・・俺、もう近付かないから琴梨ちゃんに」
「なんで?」
私が弱い子だから?
私が逃げてばかりだから?
「俺さ・・・琴梨ちゃんの周りにいると......朱雀だったら大丈夫なんでしょ?」
「なん・・・で・・・」
こうやって・・・私はみんなが離れていくのかな?
全部....全部.....
自分のせいで皆を失うの?
嫌だよ・・・そんなの・・・絶対に嫌だよぉ......
「明音ちゃん。先生に言って俺さ、別のチームに入れさせてもらうから」
「ちょ・・・長谷川君!」
「いやぁ~~俺も散々、人の事傷つけてきたから・・・潮時ってやつ?俺の噂、知ってる?」
長谷川君は木漏れ日の光に照らされてキラキラと輝いている。
「・・・・知らないって言ったら嘘になるけど....」
「でしょ?あんな男が、また女の子泣かせたーーとかなったら俺もヤバいわけよ」
なんで軽く言えるの?
嫌じゃないの?
「違う....違うよぉ....長谷川君は悪くない....噂を流してる人が悪い....」
一気に3人が私を見つめる。
木漏れ日が当たってキラキラとさわさわと揺れる森は私を照らす。
「皆・・・私から離れていく...「メンドクサイ」とか言ってね。私だって好きで拒否症してるわけじゃないし・・・誰か・・誰か代わってよ!って思ってるし。」
今までの私だったら人前で自分の気持ちなんか絶対に話せれないし....
でもね、今なら話せる気がするんだ。
この森が
私に力をくれているような....そんな感じ。
「変わりたいけど、変われない自分にいつも自己嫌悪・・・バカバカしいって感じ」
「琴梨....」
「そうだよ、明音だけが傍にいてくれて・・・明音がいないと私何もできないと思う」
これから
1人でやらなきゃいけないこと、頑張らないといけないときに
何もできないんだろうな.....
「こんな私だから、みんなみんな愛想尽かして離れていく....」
「なぁ!それって結局どうしたいわけ?俺らに助けてもらいたいわけ?」
今まで無いも話さなかった琥城君が急に口を開いた。
『俺らに・・・助けてもらいたいわけ?』
そうなの?
私は琥城君達に助けてもらいたいの?
「俺らにそんな話するって事は・・・何かしてもらいたくて言ってんだろ?悲劇のヒロインぶってんじゃねぇよ!!!」
「えっ!?・・・・」
「朱雀!!」
悲劇のヒロイン・・・かぁ
そうだよ・・・ね
「・・・ごめんなさい」
「琴梨!!謝らなくていいよ!!朱雀クン、ちょっと言いすぎ!!」
明音・・琥城君が悪いんじゃないんだよ
私が悪い....
なんで気付かなかったんだろう
琥城君の言うとおり・・・私が悲劇のヒロインぶってただけ
『男拒否症』っていうワードで
周りから避けてきただけ....
だから、みんな離れていくんだ....