CANDY POT~キャンディーポット~【完】

「琴梨~~っ一緒帰ろっ!」

「明音~、ちょっと待って メール見てからでいい?」


「会ったり前だよ~」


「あははっありがとう~」



――――今、思えばこの時から



私の



運命の歯車が


動き出していたのかもしれない。





【西尾 優子】

琴梨~お久っ(^_-)-☆
優子だよ~覚えてる?

クラス違うとこんなに話さないものだね((爆

あ~そだ、合コン来てくれない?

頼む!!1人足りなくて( 一一)。。。。

こっちは3人って言っちゃったんだよ!

んじゃあ、駅前の高埜(タカノ)ビルに来てね~

                優子☆ミ






「合コン!!??」


「どうしたの?合コン?」


えっ!。。。どうしよう........


合コンなんて行ったこと無いし........



「優子からメールが来て・・・合コンに来て!って」



「えっ!?受験前なのに!?」




そうだよ......仮にも私達は受験生だし



優子とは1年の時にクラスが一緒だったことで友達になった。


でも、優子はギャルっぽいし


口調は荒いし


男遊びが激しいし.....と



今時の女の子を絵にかいたような子



私と、見事に3年間クラスが一緒の明音は優子の事は少し苦手らしい......



「・・・どうしよ......」


「えっ!?迷うの?・・・琴梨、行かないよね?一緒に夢森学園に行くって約束したのに、合コンなんて行ってたら....」



「・・・・・・。」



「琴梨!ねぇ! 行かないでしょ? 約束したじゃない!」



クラスのみんなが帰った中



このクラスは異様な空気に包まれていた。






優子の誘い・・・・か
―――――ガヤガヤ


「じゃあ~1人ずつ、自己紹介していこっか~」


「「はいっ!!!」」


「はい......」



いかにも合コン慣れしている左端の男が言うと、私以外の女の子、優子ともう1人の玲那(レイナ)が元気よく返事をした。




そう、ここは合コン会場のカラオケボックス


異様に広いんだけど.....ここのカラオケ。。。。







あの時、明音を押し切って来てしまった。



だって・・・・優子の誘いだったから..........
1年の時、優子が初めて声をかけてくれた。


あの時は、中学校と言う舞台が怖くて怖くて仕方がなかった。



だから、声をかけてくれた時


とっても嬉しかった。


明音はすぐクラスに馴染めてたけど、人見知りが激しい私にとって



ただの恐怖でしかなかった。





1年の3学期、私は恋をした。



3年生の鷹石(タカイシ)先輩


笑顔がまぶしすぎて、近寄ることも出来なかった私に優子は先輩と話すチャンスをくれた。



それを聞いた時、心の底から優子に感謝した。




・・・・でも、その時は疑問に思わなかった。


お兄ちゃんもお姉ちゃんもいない優子が何で先輩と知り合いだったのか........



「同じ小学校だったんだ~~」っ言ってたけど、





ホントは.................
[セフレ]

私はこの言葉の意味も何もかも知らなかった........



先輩と優子はセフレという関係だった。



元々、親同士が仲良くて互いの家に泊まる



ということは結構あったという。


そして、優子のお母さんはキャバクラ嬢



優子は中1からそーゆー行為に違和感は感じなかったらしい



そしてそして、先輩のお父さんはホスト

先輩も違和感はなかったと言う。



2人は初め遊び程度・・・・だったらしい
泊まりに来るたびに続けていると......


一種のマヒ状態になり


止めれなくなり、セフレという関係に.........


私はこの話を聞いた時に



全身から血の気が引き


倒れそうになった。



小説やテレビで見ていることが



ましてや優子が........


ありえなかった。
その時の優子は完璧優等生だったから

裏の顔


っていうのかな.......見た目じゃ何にも分かんないんだって思い知った。




そして、 脳内から【先輩】というワードを消し去った。



私が、先輩の事を好きだと聞いて優子は先輩に頼んだという。



何で.....何で......そこまでして、友達のためにできるものなのか?


それが、疑問だった。



その時から、私が優子を守らなきゃ!


何があっても優子のそばにいてやらなきゃ.......


これだけで、頭がいっぱいで



優子は母子家庭だったこともあり


寂しさを紛らわすために、やっていたって........
私が先輩との関係を必死に引き離そうとすると.....

「やめてよ!......ウチには・・・・これしかないんだよっ!!!!」

と言われ、そこから本格的に優子はギャルの道へと進んでいった。



私が・・・・私が・・・・













その日から、優子とは全く話さなくなった。