CANDY POT~キャンディーポット~【完】

自分だけ、どこか取り残されてる・・・


あのことがあって、人とかかわるのを止めてる



それって、結局ね


自分が逃げてるだけ。


あの時と何も変わって無いし.....



あんなに、朱雀が私を気にかけてくれて



でも


私はそれを裏切るような行為をする.....




何が朱雀といると




楽になる・・・落ち着く・・・好きかも・・・・




こんなバカみたいな気持ち.....




朱雀に会って、浮かれてたんだ



朱雀と一緒だと、震えが来なくて



落ち着く.....
そんな風に勘違いしてたんだ.....



何が・・・何が・・・


好きかも? だ!


冷静になって考えてみなよ!!


バカバカしいじゃん!



それで、結局相手に迷惑をかける....


こんなのが恋愛なわけない.....



ろくな恋愛してない私でも分かるって



いくら好きでも・・・・迷惑かけちゃダメなんだよ。











「え~っと全員いるかー?点呼とれよーー!!」

私が落ち着いたのを見計らって明音とホールに来た。

ユッキ―はホテル全部に響き渡りそうな大声で点呼の確認してるし・・・

結構うるさいよ?





あれから、朱雀とは何でか同室になってたけど.....まぁ芽依さんの作戦なんだろうけど
.....必要以上に・・・いや、もう・・・関わらないって決めた。



何でここに来たかと言うと、オリエンテーリングをやるらしい。


ルールは


50分以内で4人ペアを作って、目的地まで行って写真を撮って帰ってくる。



私はさっそく、明音たちのグループとペアを作り・・・・だけどね.....


明音のペアの男の子が不在らしい。

「よーーし、じゃあ広場に再集合な!」

ユッキ―の言葉でみんなが一斉に広場へ歩きだす。


「明音、ペアの子来た?」

「そーいう、琴梨だって朱雀クン来てないじゃない!」

「朱雀は・・・・琥城君は、後から来るんじゃないかな?」


私は・・・『朱雀』なんて呼べる立場じゃ無い.....


呼んでいいのは琥城君の彼女だけ




「琴梨・・・・、もうさ~2人で行っちゃおうか?」



「えっ・・・・・」
「んじゃあ、全員出発ーー!ちゃんと帰ってこいよ~」


やばっ!もうスタートしちゃった!?






―――その時



「遅刻したーーーー!!」
「やべぇーーーー!!」



へ!? この声って・・・


「琥城と長谷川!!どうどうと遅刻すんな~ちょっとは、頭使えよ!!・・・ほい、早くチームのとこ行け!」


「「はいっ」」


何なの?


あれって・・・琥城君だよね?



・・・と誰? 隣の子....見たこと無い人
「あっ!!長谷川くん!!!こっちこっち~~~」



えっ? 




明音が私の隣で思いっきり手を振ってるんだけど・・・・



もしかして



あの子がペア!?




「あっ!!明音ちゃんーーー」



あ・・明音ちゃん!?



ってやっぱり、あの子がペアなのーーー??



「琴梨~~2人共、来たみたいだから行こう!!」


「うっ・・・うん」


でも、肝心の琥城君は・・・・



ご機嫌斜めーーーーー
さっきまでの爽やかな走りとは裏腹に



真っ黒いオーラでこっちに向かってくる。


それに比べて長谷川君は....


第一感想、チャライ。


「それじゃあ、ユッキ―行ってきまーす」


「気をつけてな」


はぁ~~



これから。。。どうしよう.....




隣が怖いんですけど~
「ねぇねぇ、君さ名前は?」


「へっ・・・あっ・・・・」


突然の長谷川君の声にビビっちゃった私。


長谷川君はニコッと笑って私の答えを待っている。


「あっ・・ああっ・・・こ・・・とぉ・・・りぃ・・・・です」


無理ーーー!!言えない~~


「あっあのね?長谷川君、この子はあたしの心友の霧咲 琴梨。」

「いや~~何か凄いビビられてたから・・・さ」


「す・・・・・すいませ・・・ん」


全然話せないし......


ハッキリ言って長谷川君の事は怖い。



こんなの


ダメに決まってる。
「よろしくなーー琴梨ちゃん」

「・・・・はいっ。」


何で私はいつもこんなの何だろう....


明音みたいに可愛くもなく、逃げてばかりで何もできない。


さっきだって、困ってる私に明音が助けてくれたし。



この先・・・明音がいないと何もできなくなっちゃうのかな?


変わらない自分に何回自己嫌悪しただろう.....



変わりたい・・・




変えたい・・・・






変わらなきゃ