準備が整い、外に出ると陽太が「おせーよ」とニッと笑って言った。 「…いきなり言ったくせに」 「ははっ! ほら、行くぞ!」 陽太はあたしの手を掴んで、歩き出した。 …もし、彼が遠くに行ったら、 この大きな手を、握る事はなくなってしまうんだろうか。