「椎名、はい」

彼はあたしに何冊かの教科書を渡した。

「ありがと!」

…もう、『柚』って呼んではくれないんだ。

「ぁ、あともう少し…んぅ」

唇に、温かい感触が伝わった。


な、に…?



今、あたし…陽ちゃんに、




キス、されてるの…?




「?!」

理解した時に、あたしは彼の胸板を軽く叩いた。