君へ。

｢おー！木田！こっち座れや｣

｢うぃす！｣

ペコッと頭を下げて仕事場で仲良くなったらしぃ人の横に座る木田ｸﾝ。
うん、今日もカッコイイ！
今日の木田ｸﾝはＴシャツの下に長袖を重ね着して前とは違うちょっと今風に破れたジーパンを腰で履いている。
木田ｸﾝはｱﾀｼの斜め前に座った。



｢見とれてんなよっ♪｣

いきなりゆうちゃんが腕をつついてきた。

『みっっ！…とれてないし！！』ｱﾀｼはとっさに否定したけど正直かなり見とれていた。
ぶっちゃけ仕事場では皆とは滅多に顔を合わせない。
久しぶりに見る木田ｸﾝはめちゃくちゃキラキラしていた。

そんなんで見とれるなってゆう方が無理な話だ。


人の気も知らずに楽しそうに横の人と話している。あっちを向いていて顔がよく見えない。

あっ、こっち向いた。
……可愛い顔して笑うなぁ。

元々人懐っこい性格なのかいろんな人と会話している。

そんなとこも素敵っ！！

一人で興奮しながら思っていると、

｢じゃあ全員集まったみたいなんで始めたいと思いまーす！｣
その声にはっとして長机の１番端を見ると幹事らしき人がコップを持って立っていた。


｢皆さんコップ持って下さーい、えーでは！新入社員の皆を祝して…カンパーイ！！｣

カンパーイと声を揃えて飲み会が始まった。
それぞれ思い思いに食べたり飲んだり話したりしている。
ｱﾀｼはこうゆう雰囲気が好き。
何だかワクワクする。


｢こころ！それ何飲んでんの？｣
ゆうちゃんはｱﾀｼのコップを見ながら聞いてきた。

『あぁ、カシスオレンジ！うまいよ！』

ゆうちゃんは、ｱﾀｼのも飲んでいいからちょうだい！っとコップを差し出してきた。
ｱﾀｼはいいで！っと返してゆうちゃんのコップを手に取り飲んだ。