―――ドスッ




案の定、鈍い音が響いた。

あたしは恐る恐る目を開けたら、意外な光景があった。

「…あ…れ……?」


腹部をおさえながら倒れているのは金髪の男。


「へたくそ」

嘲笑っているのは黒髪の男。

黒髪は無傷だった。



どうやら黒髪は、殴られずに避け、逆に金髪を殴ったらしい。

喧嘩強いのかな?




「てんめぇ!」

すかさず茶髪の男も殴りかかっていったが、これまた黒髪の男 は避け、茶髪に一発食らわした。

「うっ……」


その場にうずくまる茶髪。




「まだ足りない?」

黒髪はそう言って、余裕の笑みを浮かべていた。




「くそっ…。覚えてろよっ!」


茶髪と金髪の2人組は黒いワゴン車に乗り込み、そのまま車を走らせて消えていった。