ピピピピピ…。


携帯のアラームを止めて
まだ重いまぶたを
こすりながら
洗面所に向かった。



ドンッと鈍い音と共に
何かにぶつかった

「あいたたた…。」



上を見上げると
黄色い頭が見えて
私は昨日の出来事が
脳裏を駆け巡った。



夢じゃなかったのか…。



黄色い頭が
ニコニコしながら
振り返る。

きっと私の父のものであろう
パジャマからは
細長い手足がはみ出していて
なんだか不恰好だった。


「はなー!おはよー!」


ニコニコしながら
抱き締められて
ふいに私の顔は
真っ赤になり
耳まで赤くなっているのが
自分でもわかり
なんだか恥ずかしくなって
椿を突き飛ばした。



「や、やめてよっ!!」