「トマトケーキがこの店になかったら一生、
 気づかなかったと思う。」
 
「はい?」

「トマトじゃなかったら、
 今のZonuの言葉、まともに受け取ってた。」


彼女は目を丸くしていた。


トマトのはなしをいきなり持ち出すだなんて、

予想もしていなかったのだろう。


何いってるの?こいつ、と
いった目をしている。


トマトケーキ、

どうして今までその可能性に

気づかなかったのだろう。