「なので今回は見逃してあげ…」
「まお~~❤❤まおまおまおまお、まっお~~❤」
……ま、前言撤回ってことで。
「見逃せねー」
なにくるくる回ってんの?
バレリーナ? バレリーナですか?
「カナダに、君達の新居用に土地を買ったって言ったろう? 建設を始めようと思うんだ。あ、これ設計図。どお?」
「とかなんとか言っちゃってぇ父様ったら❤ホントはもう建設始めてるんでしょお~」
「あらいやだ❤バレちゃった?」
「おほほいやあねおほほ♪」
―みしっ…
「…うっうっうっ…」
こんのとんちんかん!!
方向音痴も大概にしろ!!
いっつもいっつもすべてにおいて方向性間違いやがってこのばかっ。
しゅうう~っとあたしがグーで殴ったところをしくしく抑えてしゃがみこむ父様を、これでもかというほど睨みつけた。
「あたし! 頼んでないっ」
「で、でもさまおちゃん。これ見てよこの設計図。アナタこれ絶対気に入るよ」
「ふーんだ。知らな……」
……お…、おおー…。
なかなか…。
…ハッ。いやいやいや!
流されるなまお! 流されてはいけない! 海の果てまで行ってしまうぞ!