――真裕サイド――
「まお」
「あ、かっくん」
そーいえばかっくんも置いてっちゃったんだっけ…。
自室でハーブティーをすすっていたら、がちゃっと扉が開いてかっくんが入ってきた。
すっかり忘れてたよー。
「ん…あれ。父様は?」
「さあ?」
さあ…? …ってこたないでしょうよ。
一緒にいたんじゃないの?
「?」
てか結局父様は…なにしにきたのかな?
あたしの心配してくれてたみたいだけど……一言余計だったけど…。
そのためだけに?
…いや。そんなはずはない。
確かにあの人無駄なこと多いけど、ほんのちょっとした理由で世界中飛び回ったりするけど(趣味で)。
でも!
あたしんとこに来るってことは、ずぇったいにそれだけじゃない!
なにかしら厄介事を持ってきてるに違いないんだっ。
「うん! 絶対っ!」
「……」
…と言いたいところだけど。
恐らく今回は……何もないと思う。
余計な一言だって、父様が“あたしの思う父様”らしくいようと思っただけなんでしょう。
…ホンット余計だったけど。
それこそありがた迷惑ってやつだね。