…うん。
父様?
「……台っっ無し!!!」
―ぱあんっ
「あ"っ…いたい! いたいよまお…!」
思いっきり平手打ちを食らわすと、涙目のままぷんすか別荘の中に上り込んだ。
それはもう…ずかずかと。
「おーい…」
唖然とするかっくんすらもほっぽって。
「ご、ごめんなさい」
土下座している(であろう)父様も当然ほっぽって。
「坂本さんっ。ハーブティー飲みたい」
「あらお嬢様。お帰りなさいませ。…ハーブティーでございますね? 少々お待ちください」
ばったんと部屋にこもると、待ちかねていたように飛び込んできた琥珀と梨音をぎゅと抱きしめた。
「……父様のばか…」
あたしだって…心配してるのに。
なのになによ。
挙式? 挙式ですって?
「……」
挙式……。
「ってなによぅ」
ぐすん。分かんない~。
分かんないからなおむかつくぅ~。
「ハア…もう…」