2日 続けて現れたアップルパイの人は


次の日も現れた。



どうも彼は


入り口から入って



抜け道に本屋を通っているようで


本を見ている姿は見ない



今日も甘い香は無し



ただ、いつも同じおすすめ文庫本コーナーに立つ私を見て



あっ と


少しだけ…口元が開いた気がした


制服だし、覚えてくれたのかも。



なんだか…嬉しい!


すごく…嬉しい!


彼をもっと…知りたい。


出口に向かう彼の後ろをついていくように



私も出口に向かった


今日も 彼の歩みはゆっくり。



すらりと背が高くて…長い脚がゆっくりと ゆっくりと進んで行く。



出口の自動ドアが開いて

彼の髪がサラサラと流れる


彼は私の会社とは反対に向かって歩きだした。