私を見てる…見てる…


恐る恐る目を合わせると、

『なんじゃ…やっと彼女ができたんか。ええ年して、誰もおらんのかと心配しとったぞ』



笑ったおじいちゃんの目は、健介さんによく似ていて優しかった



『じいちゃん、今日は美味いって言わせるよ。二人で探したんだよ』



手際よくカットして おじいちゃんに差し出してる


受け取りながら


『こげな事は女にさせにゃならん。お前が切るとボロボロになるわ』



きれいに切れてるのに。



口に運んで…モグモグしながら


『こんな味じゃ…なか』



『えええ〜〜。ダメ?これもダメ?じいちゃん、頼むよ〜』



ガックリ肩を落として椅子に座り込んだ



やっぱり…甘えてるだけじゃないかなあ。



『飲み物買ってくるね』

健介さんに耳打ちして、そっと部屋を出た