私の立ってる場所の


反対側の本棚



隙間から覗くと


アップルパイの人が立っていた


『あ』


隙間でお互い目が合って、思わず笑ってしまった



彼がこっちに回ってきて…やっぱり甘い香は彼だった


私の視線に気が付いて 箱を持ち上げて


『これは、林檎の木って店のアップルパイ。残念ながらこれも失格』



『え?失格?』