「よかった〜！元気そう！」


玄関の扉を開けると、なつみの高くて明るい声が響いた。


「久しぶり！はいっ！これお見舞い！みかが食べたいって言ってたチーズケーキ。」

「おっ！気が利く〜！」


私がケーキの箱を受け取ると、リビングのドアから母がやって来た。

「やだ！なつみちゃん！？まぁ！」

私の肩を押しのけて、彼女にどんどん近づいていく。

「ますます綺麗になったわね！！」

「ありがとうございます。」
「お見舞いに来てくれたの？この子ったらドジで要領が悪くって…」

「……怪我と要領の悪さとは関係ないでしょ？」

母と私のやり取りをみて、なつみが苦笑いを浮かべる。

「もう！お母さんあっちに行っててよ！」
「ちょっとくらいいいじゃないの……。なつみちゃん！後で部屋に紅茶持って行くからね？」


母はまたリビングに引き返して行った。