「合コン?」

自販機のボタンを押そうとした私に誰かが突然話し掛けてきた。

ぱっと振り向く。



「…よう。」



大きくて茶色い瞳。
ちょっとボサボサな髪。背は高くないけれど、私よりは頭一つ分高い。
紫のフード付きダウンジャケット。
少し絵の具の付いた、薄いブルーのジーンズに、寒そうに両手を突っ込んでこちらに歩いて来た。



「澤木さん…。」



「悠でいいよ。なんかその方がしっくりくるから。」



そう言うと彼は自販機のボタンをぽちっと押した。

あたたかいお茶がガタンと出て来た。



「こんな時間に女の子2人でうろついてたらあぶないよ?」



彼はしゃがみ込んで、自販機からあたたかいお茶を取り出した。