なつみ…泣いてたなぁ…。

一人で勝手に帰ってきてしまった。
あの場の気まずさに耐え切れなくなったせいもある。

近道をしようとして、先週、ももこと散歩に来た河川敷をぶらぶら歩いた。

もう日が暮れる。
真っ赤な太陽が、ずいぶん低いところにあった。

澤木悠の瞳は…あの太陽に似てるなぁ…。

不思議と胸の辺りが息苦しい感じがした。


それにしても…なんて軽い奴なんだろう…。

なつみにもモデルをしてくれって頼んだくせに……。


もう…あいつには会わないだろう…。

きっと、その方がいい。