「ようちゃん。なつみもう来てる?」

「よぉ!小学生!久しぶりだな!」

「大学生だよ!まだ来てない?」

「来てないよ。なに飲む?いま紅茶切れてるからコーヒーしか出せないけど。」

「じゃあ聞かないでよ……コーヒーちょうだい…。」

O.Kと言ってようちゃんはカウンターの奥へ引っ込んで行った。


今日は約束の日…。ついに、あの”澤木くん”に会う日だ……。

私はなんだか朝から落ち着かなかった。


わがままで、自由奔放な澤木くん……か…。


「みか!」


ガタンと店のドアが開いた。

なつみだ。

その後ろには、彼女より少し背の低い、目のパッチリとした

……”猫”みたいな男の人が……


こちらを見ながらぼぅっと立っていた。



それが澤木悠だった。