「じゃあ来週の木曜日に」

「うん。よろしく。」


みかは壁に寄り掛かりながら、ヒラヒラ手を振る。

「なつみ。あんまり無理しちゃダメだよ。」


ちょっと心配させちゃったみたい。
悪かったかな？

「みかも、はやく怪我、治るといいね。」

じゃまた…、と言って玄関を出ようとした時……

なつみちゃん！

と呼びながら、みかのお母さんが顔を出した。

「食器片しに行ったらこれ…なつみちゃんの？」

「あっ…すみません！」

いけない…忘れていってしまうところだった。

「ありがとうございます。」

「またいつでも遊びに来てね？みかは、家にいても邪魔くさいだけなんだけど、なつみちゃんがいると家の中の空気まで綺麗になっていくみたいで……。」

「気のせいだよ、お母さん。普段は、あんまり掃除してないから空気悪いだけじゃん。」

「…じゃあ…そろそろ失礼します」
「うん。またね」


みかは、ニッコリ笑いながら私に手を振った。