「その…澤木くんの描いている絵のモデルをしてるの?」


みかはティーカップをソーサーの上にゆっくりと置いた。

「うん。ようちゃんの店で声をかけられたの。モデルにならないかって。そのときは、彼一人じゃなかったけど。」

「ずいぶん大胆な人だね。なつみに声を掛けられるなんて…やっぱりカッコイイ?」

「…カッコイイって言うか…なんだかカワイイ。」


「??」


みかは不思議そうに私の顔を見上げる。

同じソファーに座っていても、私よりかなり身長が低いので、いつも見上げられてる感じ。

「彼ね、私より背、低いよ。しかも、パッチリした二重で、女の子みたいな顔。」

例えるなら…猫…かな。アメショーみたいな。

……でも、そんな見た目とは正反対で…性格はカッコイイ…。

ちょっと強引だけど。

「なんかなつみ、好み変わったね…。」


みかは、ちょっと呆れたような顔をして、ふふっと笑った。