「・・・・・・・・・ねぇ、桜沢くん・・・それが、どういう意味か分かるでしょ?」


「もちろん・・・。」


 彼女の動きを見る限り、彼女の役割は良く分かる。


 すなわち、暗殺・・・。


 彼女が、なんで、暗殺を負かされているのかまでは分からない。


 だけど、そこまでして使うなんて・・・。


「だったら、私を殺して・・・。お願い・・・。」


 あぁ、最初はそのつもりだったよ。


 彼女を殺さないと、自分が殺されてしまう。


 だけど・・・。


「なんで?」


「なんでって・・・。」


「俺は、魔法使いであって、殺し屋じゃない。それに、魔道師が相手にするのは魔道師だけだ。」


 そんなルールはない。


 魔道師だって、一般人を相手にする。


 だけど、少なくとも・・・自分はそうでありたいと思った。


 少なくとも、今、この瞬間だけは・・・。