「ふん。貴様に何が出来ると言うのだ?戦っていてわかったが、貴様には武器が無いのだろう?武器を持っていない契約者など初めて見たが・・。まぁいい。後で貴様の魂を調べればわかることだ。」
トップ・ゴースは背を向け、リナに向かって歩き出した。リナはぐったりしている。このままではリナは殺されてしまう。悠は両手両足を地面に縫い付けられているため動けない。
「くっそおおお!頼む!動いてくれ!」
しかし地面に縫い付けられた手足は、動かない。トップ・ゴースはどんどんリナに近づいていく。
「頼む!何でもいい!力をっ!力を貸してくれっ!」
悠は叫ぶ。すると悠の胸の当たりが光った。緑の光を放ち、その光はどんどん強くなる。
「なんだ・・!?」
その瞬間、風が吹き荒れ、悠の両手両足を縛り付けていた剣が消え去った。トップ・ゴースは、リナが倒れている所に歩いていく。今回の獲物は簡単だった。武器を使えない契約者など、虫を殺すようなものだ。
「くだらん。」
トップ・ゴースは倒れている空界人に向かって、自分の武器であるボルトチェーン[機械仕掛けの雷電剣]を振り上げた。トップ・ゴースは、無表情のまま倒れているリナに向かってボルトチェーンを振り下ろそうとした。
その時、トップ・ゴースの体は無数の刃に切り裂かれた。
「ぐあぁっ!い、一体なにが・・・!?」
刃の飛んできた方を見ると悠が立っていた。悠は黙ってトップ・ゴースを見ている。しかし先ほどの悠とは違う。悠は体の周りに無数の緑に光る風をまとっていた。
「貴様・・っ!何だ!その力は!?」
トップ・ゴースが言い終わる前に、トップ・ゴースの目の前から悠が消えた。いきなり消えた敵にトップ・ゴースは焦りを隠せない。
「こっちだ悪魔。」
トップ・ゴースが声のした方をみると、リナを抱えた悠が10メートルほど先の空中に浮いていた。
トップ・ゴースはしもべである黒い犬に指示をだす。すると何百もの犬が悠に向かっていく。しかし何百もの黒い犬は悠の目の前で見えない何かに切り裂かれた。
「くっ・・!」
悠は腕に抱えているリナに顔を向けた。