6、戦闘
少し暗くなった頃、スーパーでの買い物も終わったので、冬の寒空を見つめながら２人は並んで、家をめざしていた。
悠はリナに聞いてみる。
「なぁ。リナが近くにいないと、俺が戦えないって、どういう事なんだ？」
リナはキョトンとした顔で、
「契約者っていうのはね、空界の住人の武器を使ってるわけでしょ？契約者に武器が渡ったら契約者の魂の特徴におおじた武器になるの。例えばカマを悠に渡したみたいに。悠のはなぜかきえちゃったけど。まぁカマが普通なら剣になったりするの。そして、初めての戦闘では拒絶反応が、起きたりする事があるの。それを防ぐためだよ。要は初めは私達がついていないと、いけないけど、2回目とかからは、私達が居なくても戦えるよ。」リナは言ってなかったっけ？と
初耳だぞ。
「ただでさえ悠は武器がないから、悪魔がきたら私が一緒に戦わないといけないし。」
要は最初以外は自由に武器を使えるらしい。
その時。リナの表情が変わった。いきなり空を見つめ始めた。
リナの視線の先には黒い雲があった。徐々に大きくなるにつれて、それは大きな雲ではなく、犬の軍隊であることがわかった。
「なっ・・なんだありゃ！？」
「気をつけて悠。悪魔がくるよ！」
リナはなにか呪文を唱え始めた。すると周りにいる人、すべてが消えた。
「戦いに一般人は巻き込めない。今、ここを中心とした半径5キロの人を、魔法で移動させたから！」
リナは、そう言うと
「行くよ悠。」
と言って飛び上がった。
「悠も常人の800倍の力は使えるでしょ。早く。」
悠は戸惑いながら
「ええっと・・とりあえずついて行くから！」
「わかった！」
リナはそう言うと黒い軍隊に向かって飛び立った。
悠は焦りながらも足に力を込めた。本気で地面をけり、ジャンプする。すると地面はアニメのなかで見るように、思いっきりへっこんだ。悠は50メートルほど飛んだ。