「ごめん・・・ちょっと言い過ぎた・・・
短気すぎんのかな・・・俺」

少し落ち込む男。
でも、本当は優しいってのが分かる人。


「ねぇ・・・あんた名前は??」

私は聞いてみた。
もっと彼を知りたかった。


「野宮 晴貴(Haruki Nomiya)」


「のみや・・・はるき??」

私の名前は、宮野 春姫。

同じ名前だった。
そして、私の名字の漢字を逆にした名字・・・


「こんな偶然あるんだね」

そう私が言うと、野宮は間髪いれずに言った。

「俺も最初お前の名前聞いた時思った。
ちょい俺行く場所あるから・・・」

「分かった!!!あ・・・ううん、なんでもない!!!」

野宮は私の事を少し見て、去って行った。


拓人と野宮の関係って何なのかなぁ・・・
そう思ったけど、言わなかった。
まだ・・・知りたくなかったんだ。


私は拓人の家を見る。
入るか戸惑う。


「まだ無理かな・・・今度でいっか」

そう言って拓人の家を後にした。