「・・・ぬおおお!!!」

部屋で一人むなしく叫ぶ。


俺は怖いんだ。
楓ちゃんに嫌われるくらいなら、今のままで充分って思ってしまう。

でも・・・この求めてしまう感情はなんだ。


あの笑顔を俺だけが見たい。
独占したい。


けど・・・嫌われたくない。


恋ってなんだ。
なんでこんな真逆な感情が一気にやってくるんだ・・・


何故俺達を苦しめる??


「はは・・・苦しみから幸せを見つけるようなものか・・・」


誰かに少しでも背中を押してもらえたら、すぐ楓ちゃんに告白するのに。

俺の周りにはそんな奴なんかいない。
逆に俺が背中を押さなきゃならない。


そう思った瞬間、ふと頭に2人の人物が浮かんだ。


「・・・拓人と宮野」

この2人はきっとすれ違ってるだけだ。
後は誰かが背中を押すだけ・・・


これは、きっと俺がやる役目。
・・・俺がやらなきゃいけないんだ。