山本なら、確実に後ろの方だろうな・・・
と思いつつ、一組から見ていく。

「あ、あった!!!
俺と同じ2組だ・・・」

俺は彼女の名前を発見した。
まさかの同じクラス。


「わっ!!ほんとですか!!!
これからよろしくお願いします☆
では、ありがとうございましたー」

にっこり笑う彼女。
俺はもうこの時、心を奪われていたに違いない。


誰しも見た目で避けていく。
こんな俺に話しかけてくる人などいない。


ただの偶然だとは言え、嬉しかった。

楓ちゃんと同じクラスで1年間過ごしたかった。



そう思った俺は、楓ちゃんとどんどん仲良くなっていって・・・

それを見た俺の出席番号2つ前の、中野明が話しかけてきて仲良くなった。


その中野が、クラスのムードメーカー的存在で。
クラス中の皆が、俺に話しかけてくれるようになった。


俺はどんどん中学校が楽しくなっていった。


これも全て楓ちゃんのおかげ。
楓ちゃんがあの時俺に話しかけてくれたおかげ。


そして・・・気持ちが伝えられないまま、いつの間にか今を迎えていた。